NHKの特集を見て

 
 今日放送されたNHKの特集「NHKスペシャル  ジャパンブランド」を見て、勉強になった部分もあり、
また、同じ轍を踏むか。というところもあった。
 
 Made by Japanという方式を紹介していたが、これは、過去にSony、松下がやったことと同じだ。
あのときは、結局海外の企業に半導体技術やセラミック技術をすべて持っていかれた。
今度は日本のコメの栽培技術、日本の和牛の飼養管理技術、食品加工のノウハウを提供してどうする?
生産から加工まで全て現地で作られたら終わりだ。
日本のコメは、ハイブリッド米では無い。コシヒカリあきたこまちも種もみを日本から持ち込んだものしか
ダメだ。というのならわかるが、自殖する米であれば普通に採種できる。
現地企業に食品製造を委託すれば、すべてノウハウは盗まれる。その当人は良いのだが、日本の農業全体を
考えれば、いずれは、とんでもなく大きなマイナスだ。
農業でもすでにそれはあり、AustraliaWagyuなんて完璧にそうだ。一部の人間が、和牛の精液ストローを
売ってしまったがために海外で安価な和牛生産が出来るようになってしまった。和牛良いところは、
脂肪交雑(サシ)能力の高さに目が行きがちだが、実は、筋原線維の細かさがまったく違う。
別にグラスフェッド(牧草肥育)でも構わないのだ。かえってこちらのほうが良いという文献も発表されている。
そして繊維の消化率、微生物体タンパクの消化・吸収率も全く異なっていると、いうのが最近言われ始めている。
遺伝子を放出するということはものすごいリスクを背負っていることに気付くべきだろう。
先日もアメリカで中国にGMO遺伝子組み換え作物)の種子を持ち出そうとした中国人が捕まった。
アメリカでは、国を挙げて農業に関する、財産や情報を守っている。日本は、やはりぬるいな。と思う。
最終生産物は、現地生産としても、稲であれば種。和牛であれば子牛。牛乳であれば、原乳。花であれば苗など
国内農業維持に寄与すべきところは残すべきだろう。どんな産業であれ空洞化を起こしてはならない。
(そういう面では番組で紹介された浜中の酪農家は自分の原乳を持ち込んでいる事は良いのかも知れない)
 
 ただ、参考になった話もあり、日本のストーリーを持って臨むことで対海外でまだまだやれそうな気はするな
と、思った。